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日付  2022年4月19日〜4月24日
時間  12:00〜18:30
    初日13:00から 最終日16:00まで
場所  Gallery 美の舎
    東京都台東区谷中1-3-3 カサセレナ101
    千代田線 根津駅 1番出口より徒歩3分
    山手線 日暮里駅 徒歩17分

作品数16点
フライヤーデザイン:高良真剣

その傷がどうしてそこにあるのか。時間を遡って理由を思い出す時、私が私であることを再確認している気がします。

年明けに点滅する青信号に向かって走るも足がもつれて擦り剥いた膝、何度もいじってしまうから2週間治らなかった指のささくれと切り傷、15年以上前の鬼ごっこで転んで手首に残った痕。傷と記憶を照らし合わせると、この体が生まれた日から今日までずっと続いている一つの存在なのだと実感できます。

傷は生きる過程で増えるものですが、肌の色や体毛、骨格といった制御しづらい部分も私である証拠なのかもしれません。それらは元を辿れば過去との繋がりを意味します。この皮膚の奥には大勢の時間が漂っています。過去はこちらをずっと見つめていて、私も折に触れて声がする方へ振り返ります。

この体は、私とこれまでに生きていた誰かの存在の履歴です。傷は肉体と記憶を紐づける印です。どうしてだか、私は私でいたいのです。時々その事実に酷く疲れてしまうのに。